どこの世界にも、王様(キング)はいる。
カクテルの王様、といえば「マティーニ」であるが、キングはその材料を知っているだろうか。
そう、ジンとベルモットである。シンプルだ。
ただこのお酒、意外と奥が深い。使用するジンの種類が変われば、◯◯マティーニとそのカクテルの名前まで変わるほど、その味わいは幅広い。
今回は、そんな「ジン」に注目して、キングにオススメできる銘品を紹介します。
そもそも、ジンって?
ジンとは簡単にいうと、ボタニカル(ハーブや果物の皮、スパイスなど草根木皮)で風味づけされたお酒だ。
大きく分けると蒸留酒(スピリッツ)にあたり、なおかつ4大スピリッツにも数えられるお酒で(他はウォッカ、ラム、テキーラ)、その筆頭として挙げられるのがジンである。
更に細かく分けると、ロンドンジンやスロージンなど、製造規定の異なるいくつかのスタイルが存在するが、その全てに共通している所謂「ジンの定義」が以下である。
- ジュニパーベリーの香りを主とする
- 最終アルコール度数が37.5度以上
この条件を満たしさえすればジンだと認められる。つまり原料のボタニカルに「ジュニパーベリー」を用いさえすれば、あとは何を用いてもOKなのである。
この懐深さが、ジンにバリエーションをもたらす所以であり、昨今のクラフトジンブームにも影響していると言える。
キングにおすすめするジン3選
さて、それでは本題である「キングにおすすめ」なジンの紹介に入ろう。
まずは選定の基準であるが、大きくは「テイスト・風味」と「ボトルデザイン」で選んでいる。
「テイスト・風味」は、使用している材料によってこんなにも違うのか!というほど幅があり、ジンの世界でも最も奥深く面白い部分だ。
(内山が飲んだ中でも、ヨーグルトのような風味のするホエイベースのジンや、ごぼうを使ったジン、カクタスサボテンを使ったジンなど、ユニークなものも多い)
続いて「ボトルデザイン」。これもジンの魅力の一つだと思っているのだが、他のアルコールに比べても、ジンのボトルデザインにはかなり自由度があるように感じる。それこそ「ジャケ買い」をしてしまいたくなるほどに。
なので今回は、「過去に飲んで美味しいと感じたもの」、かつ「キングにもぴったりなカッコいいデザイン」のジンを3つ、紹介しよう。
1. BAREKSTEN BOTANICAL GIN(バレクステン)
蒸溜家シュティグ・バレクステンが、ノルウェーの森をイメージして蒸留したジン。
ノルウェーの森の精霊「フルドラ」にインスピレーションを受け、リンゴベリーやバラ、ルバーブなど北欧特有の果実・花・樹皮をボタニカルに使用している。
北欧ならではのベリーやフローラルなアロマが感じられ、非常に芳醇な味わいがある。
真っ黒い陶器のボトルに、森の木々をイメージした透かしが入ったデザインが、最高にカッコいい。
【原産地】
ノルウェー
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、ブルーベリー、リンゴンベリー、オレンジ、バラ、ラベンダー、エルダーフラワー、ルバーブ、クローバー、アンジェリカなど20種類以上
2. COPPERDUKE GIN(コッパーデューク)
リトアニア南部のカウナス郡にある村で造られるジン。
蜂蜜を蒸留したベーススピリッツに、プロポリス、ビーポーレン、オレンジピール、シナモンなど約20種類をボタニカルに使用。
柔らかい口当たりと柑橘の香り、他のジンには無いプロポリスの甘みが特徴。
パッケージにペストマスクがあしらわれたボトルデザインが、最高にカッコいい。
【原産地】
リトアニア
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、プロポリス、ビーポーレン、サジー、オレンジピール、真桑、シナモン、オーク、コケモモ、黒スグリ、アカツメクサ、キンセンカ、レディースマントル、ヤナギラン、セイヨウイラクサ、菩提樹、キンシバイ、ニガヨモギ、イヌバラ、ミント、イノンド、カモミール
3. SCAPEGRACE BLACK GIN(スケープグレース)
ニュージーランド南部のワインの産地セントラルオタゴで造られるジン。
パイナップル、バタフライピー、アロニアベリーなどを使用し、フルーティーな香りを味わいが特徴。
また、サツマイモやパイナップルなどのボタニカルを使用することで、ジンの液色が黒色に。トニックウォーターを注ぐとピンクに変化する様も、見ていて楽しい。
黒いガラスボトルに、刻印の入った金属のプレートあしらわれているボトルデザインが、最高にカッコいい。
【原産地】
ニュージーランド
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、コリアンダーの種、オレンジの皮、レモンの皮、ガーデンアンゼリカの根、カシアバーク、シナモンの樹皮、ナツメグ、カルダモンの種、アイリスの根、クローブの蕾、リコリスの根、アロニアベリー、サフラン、パイナップル、蝶豆、サツマイモ
内山)今度一緒にジン、飲みに行こう!!