すっごいよ。日比谷図書館

世は大コンテンツ時代。リフレッシュにおすすめなのが、活字である。
摂取する情報がシンプルなせいなのか、倍速再生のできる動画と違い時間をコントロールできないせいなのか、この上ない没入感を得ることができる。

特に紙の本が発揮する没入感は、パソコン上の活字に慣れすぎた我々に新鮮な刺激を与えてくれる。当方電子書籍派ではあるのだが、無性に紙の本を読みたくなることがしばしばある。

ここでひとつの問題が浮上する。

本って結構高い。紙の本は特に。

根っからの貧乏性である私は、歯ぎしりしながらAmazonやリアル書店で本を買っていた。
蔦屋書店でコーヒーを飲みながら本を読むこともできるのだが、実質立ち読み感があって罪悪感はぬぐえないし、混んでるし、自己啓発本を読む奴と地球の歩き方を読む奴の「どっちも好きになれない系カップル」がべらべら喋っているので集中できないのが難点だ。

そんなある日、「本 安く読む」で検索をしたところ(今年で30歳になります)、
「安く本を読む方法!」という私のためのサイトが現れ、意気揚々とクリックした。

すると最上部に出たのは…「図書館」

あ…その手があったか…
Back to Basic。灯台下暗し。
これなら、蔦屋書店で得たフラストレーションを感じることなく、歯ぎしりをすることもなく活字を楽しめるではないか。

そこから私の、図書館巡りが始まった。
巡りの経緯は語るほどでもないので省略するが、
結論、「すっごいよ。日比谷図書館」(inspired by リーマンマイク feat.今井華)である。

おすすめポイントは二つある。

|①ちょうどいい量で、快適

図書館の宿命として、「蔵書量と検索性がトレードオフになる」ということがある。
地域密着型の図書館は棚を見ながら本を探せるが、地域資料館の色合いも強く、文芸書等の取り扱いが少ない。よってビビッと来る本に出会える確率がかなり低い。
一方で、国会図書館は圧倒的な蔵書量を誇るが、いちいち取り出し申請をせねばならず、端的に言って「くそだるい」。

日比谷図書館は、最新のヒット小説から専門書・新書・雑誌バックナンバーも豊富に取り揃えており、気分転換もしながら一日過ごせる。しかも、ジャンルごとに整理されたフロアに加え、検索機も完備されており、検索性にも優れている。

つまり、最高にちょうどいいのだ。

|②好立地

霞ヶ関駅から徒歩3分と、王宮のある飯田橋からも(?)行きやすいのが◎。
1日潰せるので、休日に行くことをお勧めする。
帰りに有楽町に寄って一杯ひっかけるもよし、TOHOシネマズ日比谷で映画を見るのも一興だ。

さらに、日比谷図書館の近くには野音がある。
この野音、音漏れがすごいので図書館帰りにライブを聞くこともできるのが利点。
音漏れで聞いたエゴラッピンは格別であった。

そう考えると、無料で大量のカルチャーを摂取できてしまう恐ろしい施設である。
ある種、漫画村より危険な存在かもしれない。
※本当にはまった書籍・音楽はちゃんと買いましょう。

最後に付け加えると、図書館はメンタルヘルスにも良い気がする。
かのヒットドラマ「silent」でも図書館は印象的な逢引の場所として使われた。
全員が静かに活字を楽しむ空間には、雑踏を逃れた「なんか素敵な雰囲気」が漂うのだ。

静寂に包まれた図書館にいると「自分の心がきれいなのではないか?」という錯覚が生まれ、少し自己肯定感も上がった気がする。

たとえば、自分のことが嫌いになりそうになったとき…
日比谷図書館と活字で自分を取り戻してみてはどうでしょうか。